2016/09/03

一茶庵系

蕎麦屋業界には大きなくくりで4つの流派があると言います。
藪そば系、砂場系、更科系、そして一茶庵系。

それぞれ個性がありますが、私は生まれも育ちも一茶庵系です。
私の父親が大先生と呼ばれた片倉康雄氏(足利一茶庵創業者)に師事、私も子供の頃から足利で何度かお会いし、次元の違う偉大さに触れる事が出来ました。
何が偉大かと言うと、戦後の話になりますが、世の中は機械化が進み手打ちそばの世界も機械打ちがほとんどになって行き、手打ちの技術はどんどん衰退していきました。
そして衛生面からも手打ちより機械に、的な流れが出来上がってしまいました。

そんな中、いち早く手打ちのお蕎麦を復活させたのが大先生です。そば大学なども設立し多くの名人と呼ばれるそば職人を世に送り込みました。
現在の手打ちそば屋乱立のきっかけとなった人です。

私はその大先生の次男 片倉英晴氏の弟子です。沢山のお弟子さんの中の一人です。
直接そば打ちを教わり、考え方を学び、今の自分がいます。

まだ毎日そばを打つ際、英晴さんの言ったことが頭をよぎるくらい、素晴らしい経験でした。この先もそれは変わらないでしょう。

大先生や英晴さん、その後の多くの先人たちに早く追い付く為に、まだまだこれからも精進です。

私は死ぬまで一茶庵系でそば職人です。何があろうと変わることはありません。

固い話になりましたが、いつも想っていたことを綴ってみました。
美味しいお蕎麦をひとりでも多くのお客様に知って頂く為に、進みます。
(固いなぁ…笑)